TOEICの目標点数は人それぞれだと思いますが、どの点数を目標にするにしても、数ヶ月単位の中長期プランと実行は必須。
でも、そんな数ヶ月の努力を無駄にしないためにも、試験直前の前日・前夜・当日に何をやるか/やらないかというのは、かなり重要です。
TOEIC試験というのは、とにかく時間との戦い。短時間で脳に圧倒的な負担が掛かる試験です。そのため、当日にいかに集中力を2時間持続させることが出来るかを考えたうえで、前日と当日の時間を過ごすことが、極めて重要になってきます。
このコーナーでは、元TOEIC280点だった自分が、TOEIC970点を獲得することが出来た際におこなった前日と当日の過ごし方について公開します。
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TOEIC試験の前日のポイント
TOEIC試験に馴染んでおくことに集中
試験前日の直前になって、いわゆる「勉強」はしない。今から新しい単語を覚えようとしたり、新たな文法を覚えるようなマネは決してしないようにして下さいね。
前日になって英語の実力アップを図ろうとしても無理だし、正直時間の無駄。英語の実力は一朝一夕では身に付かないことは、もう嫌ってほど知ってますよね。今までコツコツと重ねてきたものを、当日いかに花咲かせるかが、大事な段階です。
前日という最終段階では、今までやってきたことを、脳が思い出す状態を作っておくことがおすすめ。模試試験をPar1~7まで時間内に全問解くような学習方法も、する必要はないです。
Part1~7までの問題をランダムでもいいので、大量に解くようにしてください。そうすることによって、脳が試験パターンを思い出す最後の機会になります。
わからない問題や、間違った問題があっても気にすることはないです。軽く答えをチェックして、「あ~、そうだったな」程度でかまいません。
間違っても、「どうしてこの答えになるのかなあ?ちゃんと理解するようにしておかなくては」というような、いわゆる「英語勉強」にのめり込まないでください。この段階でやる作業ではありません。そんな時間があったら、どんどん試験問題をトライしていってください。
これが、TOEICでよりよい点数を取るために、前日にやっておくべき最適のTOEIC直前対策です。以上が済んだら、早めに寝ちゃってください。
TOEIC試験の前日にやること/やらないこと
試験前日にやっておいた方が良いことと、やったら駄目なことをもう少し具体的に、お伝えしておきますね。
ここでの具体的な「やる/やらない」に関しても、最終的に、当日に最高のパフォーマンスを発揮するための準備の一環です。自分も970点を獲得した際に、実際におこなった過ごし方です。
- ○ TOEIC練習問題を大量にこなす(結果は気にしない)
- ○TOEICをリスニングパートを集中して聞く
- ○ TOEIC問題の設問を読む
- × 過去に出来なかった問題の復習はしない
- × 過去に覚えられなかった英単語の復習はしない
- × 難しい問題に真剣に取り組まない
- ○ 試験当日の持ち物を揃えておく
- ○ 試験会場への行き方・時間を再チェック
- ○ 十分な睡眠時間が取れる時間に就寝する
○TOEIC練習問題を大量にこなす(結果は気にしない)
いままでにTOEICの練習問題や過去問などに沢山取り組んできたかと思います。それらを走馬灯のように思い出すように、前日にはとくかく、いっぱい、いっぱい問題に触れてください。リスニングもリーディングもです。
Part1からPart7まで順番に問題を解いていかなくてもいいです。沢山やるPartと、若干少なめのPartがあってもかまいません。でも、必ず全パート、ある程度の量はこなしてください。
その際に、答えが合っていても、合っていなくても、全然気にすることはありません。ひたすらいっぱい問題を解く。それだけでいいんです。そうすることで、問題を解くリズムであったりとか、感覚が蘇ってきます。
これはある程度、大量の問題を解かないと駄目なので、出来れば数時間以上は実践してください。それによって、自分はやることはやり切った、という自信も湧いてきます。自分を暗示に掛けるような自信も、当日に最高のパフォーマンスを発揮するうえでは、大切な要素のひとつとなります。
TOEIC試験日は通常、日曜日ですよね。前日は土曜日になので、仕事や学校がお休みの人も多いはず。やむを得ない用事はしかたがないとして、試験前日の土曜日は、日曜日の当日を最高の状態で迎えるための大切な準備日となります。
できればご家族の協力も得て、前日にしかできないここでご紹介した準備をしっかりと実践してください。
もし土曜日も仕事で、そんな時間ないよという人は、少なくとも次の「TOEIC問題の設問を読む」は必ず実行しておいてください。これだけでも違ってきます。
○TOEICをリスニングパートを集中して聞く
TOIEC公式問題集のリスニングパートの音声を、集中力をもって聞いておきます。問題用紙を用意する必要はありません。とにかく音声に耳を傾け、神経を集中させて英語を聞き取るようにしてください。
問題用紙を見ないことで、逆に音声に集中も出来ます。とにかく、本番で流れる英語音声に慣れておきます。
Part3、Part4の設問は質問文の最初が「Wで」で始まる場合、When/What/Why/Who/Whereのどれなのかを、しっかりと聞き取れるように意識を集中もしておきます。
本番の試験では、設問文も問題用紙に記載はされてはいますが、目と耳で瞬時に設問を理解し、間違いを侵さないようにしておくことも大切です。
音声だけを集中して聞くことで、問題を解きながらの場合と比べて、意外と普段よりも聞き取れたりもするものです。本番直前でTOEICリスニングパートを集中して聞いておくことで、本番でのドキドキ感を軽減することが出来ます。そして、本番に向け、リスにグパートに対する自信も湧いてきます。
○TOEIC問題の設問を読む
TOEIC試験のリスニングPart3、Part4、それとリーディングPart7の設問部分だけを読んでいきます。
解答はする必要はありません。ひたすら設問部分を沢山目を通していきます。
設問にはある一定のパターンがあるので、各設問がどのパターンなのかを一瞬で判断出来るようにするための最終調整です。例えばPart3/ Part4/ Part7では、次みたいな感じの設問が続いてきます。
“What does the woman say~?”
“Why is the man say~?”
“Where is ~?”
結局のところ、どの設問も「5W1H+Which」で聞かれる質問なんです。
- When いつ
- Where どこで
- Who だれが
- What 何
- Why なぜ
- How(How long) どのように(どれくらいの長さ)
- Which どれ/どっち
99%が「5W1H+Which」での設問です。
これらの設問を見たときに、瞬時に、「いつ」の質門、「どこで」の質門、「だけが」の質門、というような判別が出来るようにしておきます。
この際に、必ずしも英語脳である必要はないと思ってます。Whenのときに、脳の中が「いつ?!」というように、日本語で反応しても構わないと思ってます。
というか逆に、大半の日本人は日本語で反応した方が反応速度が速いかと思います。通常の英会話の場合は英語脳で反応することも大事だったりもしますが、TOEICはとにかく瞬発力がスコアに直結するので、反応は日本語でいいです。
とにかく、設問を見た瞬間に、何を聞かれているかを瞬時に反応出来る状態を、前日時点であらためて作り上げておいてください。
ちなみに「5W1H+Which」以外の唯一の例外は、mean to(meaning to)を使った設問、というのがあります。
“The word “parked” in paragraph 3. Line 5, is closest in meaning to(第3段落の5行目の「parked」に一番近い意味は次のどれですか?)”
このような設問です。Part7で出題されます。
×過去に出来なかった問題の復習はしない
きっと今までに取り組んできたTOEIC練習問題の中で、不正解だった問題に付箋をつけたりして、再度勉強してきたことと思います。そして、本日に至っても、付箋が付いた箇所がまだまだ沢山残っているかと思います。それが普通です。
付箋が付いた箇所で、ケアレスミス程度の問題は、再度見返してもいいです。でも、自分の実力不足で解けなかったような問題を、試験本番の前日に見返して、出来るようになってやろう、などとは思わないほうがいいです。
今まで繰り返しやっても身に付いていなかったことが、前日になっていきなり身につくことはないです。これまた時間の無駄となります。
それと、前日だというのに、理解できてない箇所がまだこんなにも沢山あるのかと思うと、明日のテストに対する自信も失っていきます。悪循環です。前日の復習は敵と思ってください。
×過去に覚えられなかった英単語の復習はしない
これも、前の項目と同様のことです。よく試験会場でも、寸前まで金のフレーズや銀のフレーズなどの単語学習帳を見返している人を見かけます。
寸前まで何かしら勉強をしているということで、精神的な安心感につながるかもしれませんが、実際ほとんど役には立ちません。下手に脳を疲弊させるだけです。
前日でも同じこと。ぱ~っと軽く見返すくらいはいいですが、今までに覚えることが出来なかった単語は、捨てるくらいの気持ちの方がいいです。単語の数はきりがありません。
TOEIC試験において、語彙力は重要ではあります。それは間違いありません。でも、実際には語彙がわからなくても文章を理解出来る力の方が、より重要です。
海外での実生活でも同様なんです。単語の数なんて、ネイティブスピーカーには到底かないません。英字新聞を読んでいたって、知らない単語だらけです。
そんな状況下でも、前後の文脈などから会話内容や、記事内容を理解する必要があります。TOEICでも同様のこと。単語の意味が分からなくても、文章の意味を理解する力が求められているんです。
そして、それが出来る力こそが、点数により直結することも確かです。ですので、前日になって語彙数を増やすような真似はやめましょう。おすすめしません。
×難しい問題に真剣に取り組まない
自分の場合、試験対策として「TOEIC L&R TEST 990点獲得 最強Part7模試 (Media Beacon)」を参考書のひとつとして使用していました。さすがに990点対策本だけあって、間違えてしまった問題もありました。
またそれ以外にも、問題集などで難しい文法を理解していないと解けないような問題もありました。そういった問題を、試験前日にやり直すことは、おすすめしません。
繰り返しになりますが、前日に実力アップを狙うような学習方法は無意味です。それよりも、今までやってきたこと、出来たことを繰り返して行なって、良いリズムを身体と脳に染み込ませることを重要視したほうが、当日のスコアは良くなります。
○試験当日の持ち物を揃えておく
試験当日に必要な持ち物チェックは、実際は前日よりも前に済ませておいた方がいいですね。ですので前日は、明日間違いなく全部持ってけるような準備をしておく、ということ。
実際の当日の持ち物は、以下になります。事前に受け取った受験票にも記載してありますね。
- 受験票(証明写真貼付け済)
- 本人確認書類
- 筆記用具
- 腕時計
受験票はただ持っていけばいいのではなくて、必要事項にチェックを付けたり、署名も要るので、しっかり記入は済ませておきましょう。
それと、絶対に忘れてはならないのが証明写真。
最近は、証明写真機も近所にけっこうありますよね。それに、証明写真はスマホで撮ってコンビニで印刷する人も多いかもしれません。便利な世の中です。きちんと指定の4センチ×3センチの大きさにカットして、裏面に氏名と受験番号を記入したうえで、糊付けするようにして下さい。
本人確認書類は、マイナンバーカードか運転免許証、大学生なら学生証を使う人が多いかと思います(自分は運転免許証)。
大事なポイントは、筆記用具ですよね。どの筆記用具を当日に使用するか。鉛筆派とシャーペン派に分かれますよね。自分はシャーペン派。
でも、普段使っている0.5ミリのシャーペンではありません。1.3ミリ芯経のコクヨのマークシート用スタンダード鉛筆シャープ(PS-P101D-1P)がお気に入り。
1.3ミリのシャーペンを使うことで、マークシートを塗りつぶす際の時間短縮に繋がります。TOEICは時間が命なので、こういった細かい配慮が、結果に功を奏します。
当日には、シャーペンとあわせて、替芯のセットもあわせて持っていきます。さらに、緊急時に備えて、普通のシャーペン2本と鉛筆も持参します。筆記用具を複数持っていくことで、1.3ミリのシャーペンにトラブルがあった際でも安心。
それと、試験用紙に書き込みが許されていないため、どこか文章をマークしておきたいときに、予備の筆記用具をアンダーラインのように置いて、書き込みラインの代用にすることもできます。
マークシート用シャープペンシルはコクヨ以外にも、ステッドラー製のものとかもありますが、自分的には安価なコクヨ製のもので十分と感じました。鉛筆に近い感じで、使い心地も良いです。
芯の濃さはBにしたい人もいるかもしれませんが、TOEICの持ち物リストに、HBと指定してあるので、HBを使用するようにしましょう。自分も、もちろんHBの芯を使用です。
消しゴムにも少しこだわりがあります。TOEIC試験においては、消しゴムを使用した際の、消しカスを払う時間さえも惜しくなります。
このようなニーズに応えたマークシート用消しゴムってのが、実は色々と発売されているんです。その中で、ステッドラー製のでもいいですが、個人的にはMONOの消しゴムが使用感が良かったです。
腕時計は、どんなのでもかまいません。自分は、カシオの一番安いデジタル腕時計です。普段、時間はスマホでチェックしますからね。腕時計をしないため、それしか持っていません。
みんさんの中には、腕時計をひとつも持っていない人もいるかもしれませんね。でも、TOEIC会場では携帯電話は禁止されているので、自分みたいに一番安い腕時計で構わないので、腕時計は持っていった方がいいです。
受験会場には、掛け時計はあるかとは思います。でも、正確な時間はみずらいですから、秒単位まで表示される自分自身の腕時計があったほうが、安心して受験できます。
○試験会場への行き方・時間を再チェック
受験会場は大学であることが多いですね。普段あまり馴染みのない駅で降りることもありますし、大学は駅から結構離れているケースも多いです。徒歩で時間が掛かったり、バスに乗る必要がある場合も。なので、事前に位置情報や所要時間もしっかりと調べておいてください。
スマホで、Yahoo!乗換案内や駅すぱあと等のアプリをダウンロードして、事前に確認しておいてください。
自分も何箇所か異なる会場で受験しましたが、直近の970点獲得出来た試験では、東京都国立にある東京経済大学が試験会場でした。
国立駅に行った記憶もないですし、もちろん東京経済大学にも行ったことはありませんでした。
ですので、事前に自宅から国立駅までの行き方や時間。そして、国立駅から東京経済大学までの徒歩での行き方や、途中のコンビニの位置。ついでに、試験後に食べる昼食の場所も前日までに入念に調べておきました。
○十分な睡眠時間が取れる時間に就寝する
前日で一番大切なことは、当日の体調を万全の状態で迎える用意をしておくこと。これが最優先事項です。
なので、当日にベストを尽くしたければ、前日夜に友達と飲みに行くとかは、もってのほか。当日の脳のパフォーマンスは、気力でどうにかなる問題でもありません。普段の生活の何倍もの集中状態を2時間継続させるには、それだけの心身の周到な準備が重要です。
自分の場合は、普段の生活サイクルを重視しつつ、7~8時間の睡眠を確保するように就寝しました。
就寝時間は当日の受験時間によりますね。現在のTOEICは午前受験と午後受験があります。午前受験の受付時間は朝9時25分~9時55分で、試験開始は10時20分からです。午後受験は、受付14時05分~14時35分。試験開始が15時です。
午後受験の人は、とくに構わないですが、午前受験の人は就寝時間は特に重要です。
自分は、午前中が一番脳が活性化していて、昼食後からはスローダウンするので、TOEIC受験は迷わず午前受験です。
でも、普段から仕事で帰りが遅くて就寝時間も遅い人は、午後受験の方が良いパフォーマンスを出せる人もいるかもしれませんね。
普段就寝時間が遅い人が、午前受験の場合は、いきなり早く床についても、寝られない時間が続くだけなので、数日前から生活リズムを変えておくことをおすすめします。午前受験である自分は、前日は22時就寝し、当日は朝6時起床しました。
前日の過ごし方 まとめ
前日に英語力アップのための勉強をしない。でも、TOEIC試験のリズムに脳が反応しやすいように、沢山の問題には取り組んでおく。そして、しっかりと睡眠を取って、脳を最良の状態にして当日の朝を迎える。以上が前日の過ごし方で大切なポイントになります。
前日にしっかりと時間が確保出来る人は、夕飯前までに全て済ませておくといいでしょう。夕飯を食べて、夕食後はリラックスした状態で過ごし、適切な時間に就寝する。これで、準備はバッチリです。